4人目は・・・
ラーメン職人としてテレビでも人気沸騰した
頑固親父のラーメン店「支那そばや」の店主
佐野 実さんです。
佐野さんは2014年、4月11日
糖尿病による多臓器不全で川崎市の病院で亡くなられました。
享年63歳。
妥協を許さないラーメン職人としてガンコで恐れられながらも
愛されていた佐野実さん。
「ダメだ!作り直し!」
「今日は店閉めるぞ」
このようなセリフが日常茶飯事に佐野氏のラーメン店では
行き交っていました。
そしてテレビでも話題になったきっかけが、
佐野氏のラーメン店にて
お客さんが、スープを残して店を出ようとした際に、
「スープは最期まで飲んで!」
とお客さんも唖然。
あるいは、ラーメンが食べながらベラベラとしゃべりまくる
女子グループに対して・・・
「べちゃくちゃ喋るな!麺が伸びてしまう」
当時まさかこんな言葉をお客さんに浴びせるラーメン店店主に
私も含め誰もが衝撃を受けたのではないでしょうか。
そんな佐野実さんは、それ以来
ラーメンの鬼として人気が沸騰し、テレビで引っ張りだこなり、
またそんな傍若無人な店主の対応にも関わらずに繁盛するように
なりました。
しかしそんな中、2014年2月に佐野実氏は
糖尿病により、緊急入院
ラーメンの鬼と呼ばれた佐野実さんは、
入院して容態が悪化しているなかでも
ラーメンのことを片時も忘れませんでいた。
そして
佐野氏の奥さんが容態の悪い
本人に対して問いかけました。
妻「何かしてほしいことある?」
すると、佐野氏は・・
「ラーメンが食べたい・・・」
頑に願い続ける佐野氏に折れた奥さんと医師は
仕方なく佐野にラーメンを食べさせてあげるために
病室で弟子に作らせました。
佐野の病体を気遣って普段とは違うスープを薄めたラーメン
そんなラーメンを食べた佐野実さんは・・・
「スープが薄い!!」
「こんなもの店で出しているのか!」
ラーメンの鬼は
入院中に食べさせることができたラーメンにも妥協を許しませんでした。
しかしそんなラーメンにも関わらず佐野氏はそのラーメンを食べ続けました。
時が経ち、末期状態の佐野氏。
奥様はふたたび問いかけました。
妻「今までで一番嬉しかったことはなに?」
佐野
「・・・お前と出会ったことだ」
耳を疑ったが奥様を聞き直した。
妻「他にもあるでしょ2番目は?」
佐野
「2番目も同じ・・・。」
妻
「・・じゃあ3番目は?」
佐野
「3番目も一緒だよ・・・同じこと何度も言わせるな」
これについては
テレビを観ている私的にも「まさかラーメン以外のことなんて」と
驚きました。
そして、そうやって最期のメッセージ(アンサー)を最愛の妻に残し
佐野実さんは静かに息を引き取りました。
後になっって奥様はこのエピソードについて語っていまいた。
「こんなときにまさかそんなこと言ってくれるとは思っていなかったので
胸がつまる思いでした」
佐野実さんの死語、それから
妻は、「佐野が大事にした店を守っていく」と言って
今でも佐野実さんの店を引き継いでいるようです。
たかがラーメンと思われるかもしれませんが、
感動の物語でした。